2017年11月03日

十一月三日

私が望んだものはいつも
たわいのない会釈のような
ほんのささやかなものでした
そんなものが大切で
そんなものが重要でした
朝目が覚めたとき
かなた遠くの光に出くわすような
そんなささやかなことだけで
私は十分幸せでした
でも そんな
ささやかなものが不可欠でした

(C) Kirye Shifumi 2017/11/03

===

書きたいことは山ほどあるはずたのに
ひと筋の涙が一行を書く時間をあっと言う間に越えてしまいます
行きたい場所なら沢山あったはずなのに
今はただありがとうとしか心に浮かびません
おやすみなさい

(C) Kirye Shifumi 2017/11/03


posted by きりえ しふみ at 17:32| 東京 ☀| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月14日

そして死が私の元へもやって来ました


そして、死が私の元へもやって来ました
誰かはジタバタしたかも知れません
私は静かにその手を取るでしょう
誰かは誰かに声をかけたかも知れません
いえ、きっと誰かはそうしたでしょう
私はこれと言って何にも言わないことにしました
美学、、、いいえ、決してこれは、いいえ
そんな大層なものではありません
私は格好付けなだけなんです
私はいつもの美しい帽子を被ったまま
息絶える
というだけなのですから
それでも先生、あなたの顔を思い出します
そうして毛嫌いした振りをした
嫌いになった振りをしたままの
彼の怒ったあの顔を思い浮かべずにはいられません
あれは確かに私が愛した人 まだ
愛している人の顔だったに違いありません
誰かはきっとジタバタしたに違いありません
私はいつもと変わらないまま
眠るようにでも多分苦しんで息絶えることを選ぶでしょう
舞台の一幕が終わるかのようにまだ続きがあるかのように
これは多分愚かな諦念です
私は多分間違っています
あの人の元に駆けて行って泣き叫ばないだなんて

これは全くあなたの主義に反しています
でも誰かは背筋を伸ばしたまま死なねばなりません
この国では禁句となった死を
示さねばなりません
きっと誰かはジタバタしたでしょう
私はいつものように綺麗な服を着て、、、

道はすっかり暗くなってしまいました

(C) Kirye Shifumi 2017/03/07
posted by きりえ しふみ at 09:30| 東京 ☔| Comment(3) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月09日

あなたが常にあなたであったら

あなたが常にあなたであったら
私たちの間にどんな嵐も吹きませんでした。
あなたがもし常にあなたであったら
どんなささやかな疑いも二人の胸には根ざさなかったでしょう。
それほど私たちはぴったりでした。

‘あなた’がいる筈もないときに それらはあなたを装いました。
‘あなた’が語る筈もないことを それらは声高く吹聴しました。
重い鎖に繋がれたまま あなたは現在‘あなた’を質屋に入れたままです。
影はもうすぐそこまで忍び寄っているのに。

可哀想な人…あなたはいつ ‘あなた’を手放しましたか?
あなたはいつそれらへ ‘あなた自身’を売り渡してしまいましたか?
ぬくもりを持たない冷淡な者たちへ
単にあなたの空洞を埋めるだけの者たちへ

彼らが例え何を目にしても
私たちが見たものを彼らは目にすることなどないでしょう
同じ一枚の絵を見ても 知る者とただ見る者とがいるように

私たちは常に私たちであるべきでした
私たちは共に安らぎに満ちたあの花園を有していたのですから

(c)Kirye Shifumi 20160208
posted by きりえ しふみ at 19:30| 東京 ☀| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月06日

不用意に女を呼び止めたりしてはいけません

彼女が何かに熱中し考察を押し広げようとしている時は特に
女を不用意に呼び止めたりしてはいけません
彼女の削がれた集中力が
一瞬『失われた』ように見えたとしても
1つの化学反応を引き起こして
あなたへ付着しないとも限りませんから

呼び止められるまで『彼女』は あなたを気に留めたりはしませんでした
彼女は自分の道を陽気に また信念に燃えながら
サクサク歩いていただけでした

あなたは多分
可愛い出来心でそうしたつもりでいるのでしょう?

彼女の単調だった道筋にあなたは花と手紙を添えました
それを受け取って初めて あなたの存在に気づいたのてすから
『原因』は彼女にはありませんでした

彼女が何かと冷静に向き合う横顔を見せた時には特に
女に熱心に語りかけたりしてはなりません
研究熱心な彼女の『信念』が
あなたへ飛び火して 二人を
燃えカスになるまで激しく
燃やし尽くさないとも限りませんから

しかし彼女は冷静でした
大輪の花束の片隅に金の指輪を見つけたその一瞬
激昂した後 あなたの無礼を許すと言ったのですから

あなたは速やかに道を開けて差し上げなさい
深々と彼女に頭を下げて
そして二度と他所の女を呼び止めてはなりません

大抵の男は一度に手に収められる女は
一人きりなのです

(c) Kirye Shifumi 2015/10/06
posted by きりえ しふみ at 17:30| 東京 ☀| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月01日

それでも毎秒血は流れ続ける

ギリギリと形のないノコギリみたいな何かに
毎秒のようにハートを切り裂かれるまま
ぼくらは黙って悲鳴を上げ続けていたし
顔の表面に笑顔のお面を縫いつけたまま
ぼくらの胸で嗚咽が止まることなどなかった

気付いていたよ
きみが叫び出す その前に

それは丁度ぼくだけに起こったことではなかったんだ
きみも泣いてた
きみも傷ついてた

ぼくらはまるで
同じ宿命にある番いの小鳥のように
等しく

胸の中で
それらは死んだ
あの暖かなハートから 毎秒のように血が流れ続けてる

いつまで流れ続けるのか
止まるのか

傷が癒えたときに ぼくらは また
本当に笑うことなど 出来るのだろうか?

(c) Kirye Shifumi 2015/10/01
posted by きりえ しふみ at 23:03| 東京 ☁| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ぼくらの時間

毎日のように小鳥が羽根を休める枝のように
ぼくらにも 嘗てはあった
約束事のように
その上 互いにそれを好んで
互いを行き来した 尊い時間が

ぼくらは親しげに下の名前を呼び合って
子供のように 仔犬のように
互いに互いを結びつけた
ぼくたちはちょうど子供の時間に
互いの時を戻したかのように

ただ無邪気に…

やがて時が来て
ぼくたちを現実に引き戻した
ぼくたちが腰掛けた
あのイスもティーカップも
すべてが
あの日々のままだ
ぼくらがそこで寛ぐ時間が
ほんの少しずれてしまったことを除いては

それはまるで 十六夜のよう
欠け出して まだ間もない
必死になって走ったなら…いや、
再び月が満ちるのを待とう

ぼくは知ってた
あの瞬間のきみの無邪気さ
それにはちゃんと名前があった

(c) Kirye Shifumi 2015/10/01
posted by きりえ しふみ at 18:13| 東京 ☀| Comment(2) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月29日

少女時代(主演DVD『ポエムのある風景』収録)音声つき

ねえ……
一体何が悲しいと言うの?

真っ白な花は あんなに涙した雨上がりでも
あんなに朗らかに 優しい眼差しで
駆けつけた朝を 出迎えているのに
駆けつけた朝の 肩についた埃 寝乱れた髪を
風は黙って 梳いてやるのに

弱虫ね わたし
こんな一歩に躊躇している
弱虫な わたし

ねえ……
一体何を むず痒っているの?
起き出せないの?
駄々っ子になる?

『時』は黙って 過ぎ行くのに
命を紡いだり 刈り取ったりしながら
一人ぼっちでそそくさと
笑いの種を蒔き歩く
『時』があるのに

贅沢ね わたし
沢山の眼差しに 包まれたまま
辺り一面
『寂しい』と名付けていただなんて

(c)Kirye Shifumi

〜〜〜
音声は♪Windows Media Player(他の場合は分かりません)で視聴できます。
少女時代きりえしふみ
posted by きりえ しふみ at 20:55| 東京 ☀| 詩(音声つき♪) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月25日

何処までも行こうよ

どんな不安が押し寄せても
あたしには歌がある
お日さまを遮る雲を吹き飛ばすよな
あたしには強い歌がある

どんな不安の吹雪が向かってきたって無駄よ
あたしには優しい歌がある
優しい歌は無敵の盾となり
一時の杞憂を押し退ける

あたしはそうやって生きてきた
あたしのちっちゃなポエットは
あたしを画面の中へ送り込んだ
あたしのちっちゃなポエットは
あたしに思ってもみなかった幸運を
与え続けてくれた

心の中が月も星もネオンの光さえない
真っ暗な闇夜に変わったときも
あたしの不屈のポエットは
真っ先にあたしのところに舞い降りて
その言葉で
真っ暗闇を赤や桃色、緑や青に塗り替えてくれた
まるで凛々しいナイトのように

どんな時でも!

ねえ、ポエット
あなたは魔法
ただのあたしを
無敵の勇者や優しい天使に変えてくれる
あなたは魔法

答えは聞かなくたって分かる
何処までも行こうよ
絶望のカードをひっくり返しに
何処までも行こう
あたしのポエット

いつもあたしの傍らにいる
あなたはあたしのナイト

(c) Kirye Shifumi 2015/09/25

posted by きりえ しふみ at 20:56| 東京 ☁| Comment(2) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ベビーシッター

私には自分の心が分からない
延々とトランポリンの上にいるみたい
弾んでいる日もあれば
1ミリも微動だにしない日もある

心はころころに由来するとかしないとか
私の体の片隅で縮こまっている日もあれば
体の範囲から食み出すくらい
踊る身体のリズムに合わせ大きく広がってゆく

だから
泣きべそかいたって無駄よ
私の心“さん”
今日あなたがどの位泣いたとして
それが変わらないものと悄気たとして

あなたはまた蕾が開くみたいに
微笑むでしょう
楽しい事件がその時起こっていなくても
その微笑が幸せをもたらすでしょう

思いきり泣いて
思いきり笑って
或いは涙も見せずに日々を持ち堪えて

私に私の心のことなんて分からない
ただ “彼女”に引きずられる前に
“彼女”を先導することなら出来る
“彼女”がなるべく穏やかであるよう
“彼女”に日々水を与える
ささやかなことなら出来る

(c)Kirye Shifumi 2015/09/25
posted by きりえ しふみ at 02:26| 東京 ☁| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月23日

二本の木

ほんの少し離れた場所で
首を傾げれば目が合うような
そんな近さでぼくらは芽吹いた

互いが互いの影にはならないように
互いが互いを滅ぼすことにならないように
いつも互いを励ますことが出来るよう

ぼくらの間に気の遠くなるような隔たりはなく
ぼくらの間に傷つけ合うような近さはなく

あなたにはそのままのぼくが映る
あるがままのあなたがぼくには見える
傷も誉れも そのままに

狂おしく焦がれ続けるほどに

遠く近くに 芽吹いたぼくらだから
触れ合うことなど出来ない二人だから
互いをかたく抱くかわりに
励まし合って
同じ空を目指す

(C)kirye shifumi 2014/11/19
posted by きりえ しふみ at 12:00| 東京 ☀| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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